黒い虹と気球

小説や漫画の本中心に感想など

『恋は雨上がりのように』: 感想

久々に更新、、最後に書いたのは半年以上前という。忙しかったとかいう理由は通用しなさそう、単純に忘れておりましたすみません。

今度からは更新頻度を上げていきたいと思っておりますが、また延びてしまった場合はご了承ください。

 

アニメ界が最近とても盛り上がりを見せていますね。

去年は『けものフレンズ』が爆発的ヒットとなって「けものはいてものけものはいない」「すっごーい!」などの言葉が流行ってました。

今期のアニメも観たいものが沢山あって色々観ていたんですが。

恋は雨上がりのように

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 恋は雨上がりのように 1 (ビッグコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/4091867286/ref=cm_sw_r_cp_api_VJaxAb9DSG4VX

表紙の子は主人公の橘あきら、17歳の女子高校生。

陸上部を足の怪我を理由に辞め、何気なく始めたファミレスで出会った中年男性のオーナーに恋をしてしまうという話です。

 

もともとこの作品、だいぶ前に漫画で読んで面白いなぁという感じで数巻読んでいたのですが(最新刊までは追えていないので記憶が曖昧)、漫画で描かれていた「間」が忠実に再現されていて驚きました。思わず二回視聴してしまうくらい。

もともとセリフ吹き出しの少ないコマが多かった作品ですが、こういう作品こそアニメでは映えるんだな、と。

 

作画も文句のつけようがない素晴らしさ。ノイタミナさんのアニメは作画がとても良く、原作に忠実なことで有名ですが。この作品も同様、魅入られる美しさです。

 

音楽もいいです。ファミレス内の雰囲気がより引き立てられる音楽が視聴者にとってとても馴染みやすい。

所々アニメにするにあたって話の改変はありますが(友人と話すシーンは食堂から窓際のベンチに変更されていました)全く問題ありませんでした。むしろこっちの方がいい。

 

所々の描写一つ一つを丁寧に描いてくださっているのが一話の中で十分に伝わってきました。

 

まだ始まったばかりなのでこれからの展開も楽しみです。原作もう一回読み返そうかな、、

 

映画『夜は短し歩けよ乙女』: 感想

本日公開された映画『夜は短し歩けよ乙女』を観に行って参りました。

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期待あり不安ありで一体どんな風になるのだろうと思ってたのですが、、

花澤香菜さんがすごい。

とにかく演技がすごい。音楽や演出も素晴らしかったのですが、一番魅せていたのは花澤香菜さんの演技力でした。やはり声優さんはすごいです。見事キャラクターになりきっています。

内容ですが、原作の分量は95分という制約の中では収めきれなかったのか、序盤は説明も早口で駆け抜けていきます(原作をあらかじめ読んでおかないと絶対ついていけないです)。オリジナル展開などが多く(四畳半神話大系に出てきた小津(?)に似た古本屋の神様が出てきたりしてます)、原作ファンだった自分には少し残念に感じた。

ただ先ほども言ったとおり演出は素晴しい。映画だからこその音楽の迫力、テンポはきっちり組まれており、とても楽しめました。

 

けれどこの映画をお勧めできるかと聞かれると...万人受けでは無いかな、と感じます。

明らかにファン向けに作られた映画です。「詭弁踊り」「偽電気ブラン」「天狗」など別作品を読んでいないとさっぱり分からないワードが飛び交うので初めて見る方にはお勧めできないです。

逆に『四畳半神話大系』を読んでおられる(もしくはアニメで観ておられる)ファンの方には強くお勧めできる内容となっています。

 

(追記)

初日のレイトショーで観に行ったのですが客層は高校生〜大学生の方が多い印象。学生の方の支持が多いのかなと感じました。

ただ「詭弁踊り」の所、誰も笑ってなくて完全に滑ってたのはやはりギャップがあるんですかね...

 

『ペンギン・ハイウェイ』: 感想

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/B00AR76UAU/ref=cm_sw_r_cp_api_VvK-xb06EJYEA

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お気に入りの小説の一つ。

 

作者である森見登美彦さんの小説はどれも面白くて好きです(京都に下宿している大学生の生活を描いた「四畳半神話大系」、京都に暮らす狸たちを描いた「有頂天家族」など)。京都を舞台にした話を書かれることがほとんどなんですが、「ペンギン・ハイウェイ」は珍しく京都が舞台ではない、どこかの住宅地。主人公が引っ越してきた時はまだ殺風景な所だったが、しばらくしてどんどん周りに家が建っていったらしい。

 

主人公は小学四年生の「ぼく」(アオヤマくん)。最年少の主人公です。

このアオヤマくん、とても賢く(同級生には少し変わってると思われてる)、思ったことを常にメモして考える力があります。論理的に物事を考え、頭の中で整理する、他の同級生よりもしっかりとした少年なんです。お陰で語り部もしっかり畏まっています。

アオヤマくんは歯科医院で出会った「お姉さん」と仲良しで、「海辺のカフェ」という喫茶店(海の近くではない)でお姉さんとよく話をします。このやりとりがとても楽しくて面白い。論理的に話をふっかける「ぼく」をお姉さんが軽く返す会話が話を和ませてくれる。

 

本題の「ペンギン」。

アオヤマくんが「お姉さん」と話していた時、突然「お姉さん」にペンギンを生み出す能力があることが発覚します。何事にも興味を示すアオヤマくんはそのことに興味津々。なんとかしてお姉さんの持つ特殊能力を解明しようと試みます。

賢い「ぼく」はこの異常現象を真剣に考え、思いついたことをすぐさまメモし、同級生も巻き込んで「お姉さん」のことを調べ尽くします。けれどさっぱり分かりません。

「お姉さん」自身も分からないというこの現象を一体どうすれば解明できるのでしょうか。

 

実際のところ、この現象の解明は名目上であってアオヤマくんは「お姉さん」と話をするのが大好きなんです。読んでるとそれがすごく伝わってくる。

アオヤマくんが「賢い」のは、"論理的に物事を考えることができる"から。分かったことをメモし整理しながら思考を積み重ね、結論を導き出す。その過程が小学四年生とは思えない彼の賢さが垣間見える。成る程と納得させられます。中には奇想天外な発想もあって面白い。

 

色んな思い入れのある一冊です。個人的には「森見登美彦を初めて知った作品」。

 

 

(追記)

森見登美彦さんが推薦されていた「ランボー怒りの改新」(著: 前野ひろみち)という本を先日読んだ。これがまた面白かった。奈良を舞台とした短編集。