黒い虹と気球

小説や漫画の本中心に感想を書きます (本によって発売直後に感想を書いている場合があります。ネタバレなどにはご注意ください)

映画『夜は短し歩けよ乙女』: 感想

お久しぶりです。

新学期になって色々慌ただしくしておりまして、ブログの方が書けないでいました(言い訳)。更新頻度が少なくなってしまい申し訳ありません。

早速なんですが本日公開された映画『夜は短し歩けよ乙女』を観に行って参りました。

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何ヶ月も前からずっと待ってました(笑)。

期待あり不安ありで一体どんな風になるのだろうと思ってたのですが。

(...花澤香菜さんすげえ!)

とにかく演技がすごい。音楽や演出も素晴らしかったのですが、一番魅せていたのは花澤香菜さんの演技力でした。やはり声優さんはすごいです。見事キャラクターになりきっています。

さて肝心の中身はというと、やはり原作の分量は95分という制約の中では収めきれず、序盤は説明も早口で駆け抜けていきます(原作をあらかじめ読んでおかないと絶対ついていけないです)。それとオリジナル展開などがあり(四畳半神話大系に出てきた小津(?)に似た古本屋の神様が出てきたりしてます)、原作ファンだった自分には少し残念でした。

ただ先ほども言いましたが演出は素晴しい。映画だからこその音楽の迫力、テンポはきっちり組まれており、とても楽しめました。


けれどこの映画をお勧めできるかと聞かれると...万人受けでは無いかな、と感じます。

明らかにファン向けに作られた映画かと。「詭弁踊り」「偽電気ブラン」「天狗」など森見作品を読んでいないとさっぱり分からないワードが飛び交うので初めて見る方にはお勧めできないです。

逆に『四畳半神話大系』を読んでおられる(もしくはアニメで観ておられる)ファンの方には強くお勧めできる内容となっています。


(追記)

初日のレイトショーで観に行ったのですが客層は高校生〜大学生の方がほとんどでした。ブログ主も大学生なのでやはり森見さんは学生の方の支持が多いんだな、と感じました。

ただ「詭弁踊り」の所、誰も笑ってなくて完全に滑ってたのはやはりギャップがあるんですかね...


『キノの旅』を振り返る

お久しぶりです。生きてます元気です。

二月は更新をお休みしてしまい、すみませんでした。

決して本を読まなかった訳ではないのですが、小説や漫画などは少ない上、紹介できそうな本でもなかったため、投稿を控えていました(発売日は盛り上がった村上春樹さんの新作、『騎士団長殺し』も読みました。ネタバレにならない程度の感想としては「いつもの村上春樹」でした(笑))。

 

さて、今月は『キノの旅』です。

キノの旅 the Beautiful World<キノの旅> (電撃文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/B00O4QK3IK/ref=cm_sw_r_cp_api_OORXybPDQFQS3

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みなさん『キノの旅』というライトノベルをご存知でしょうか。2000年に一巻が発売され、2003年にはテレビアニメ化、2005年には劇場アニメ化を果たした"大"人気ノベルです。

個人的にも五本の指に入るライトノベルの名作だと思っています。

筆者も小学生の時に友達(だったかな...もう忘れてる(笑))に勧められて読んだ時はその世界観にとても惹かれたのを覚えてます。同じ頃にアニメもやってたと思うんですが、筆者は「ケロロ軍曹」ばっかり観てました(笑)。

中学生になってからはブックオフで全巻読破してやろうと数週間篭ってた気がします。店員さんにしたら良い迷惑なのかもしれない、本当すみませんでした。

そんな思い出深い小説「キノの旅」をどうして今頃取り上げるのかと言いますと...

 

なんと、「テレビアニメ化」が決定したのです。

 

えっテレビアニメ化って2003年にもしてるんじゃないかと一瞬疑問に思いましたが、どうやらもう一度アニメ化するみたいです。「鋼の錬金術師」の二度のアニメ化のような、そういう感じでしょうか。

正直、懐かしいなと感じました。もちろんとっても嬉しいのですが、もう読んでから何年も経ってるし、どんな話があったかかなり忘れてしまってる。

そこで、本当に今更なんですがもう一度読んでみようということになりました。

けれど本棚に「キノの旅」があるはずもなく(全て立ち読みで済ませてしまったため)、20巻揃えられる財力も残念ながらありません。

ここで最終奥義「ブックオフ」です。

ブックオフは本当に読めればいい(といったら失礼ですね(笑))本を買う時にしか使わないので、少し躊躇われましたが今回は止むなく利用させていただきました。

奥の方に追いやられているライトノベルコーナーを眺めながら、見つけましたよ「キノの旅」!

じゃん。

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状態がとても綺麗で価格はなんと108円。名作をこんなに安く売ってくれるブックオフさん、感謝です。

家に帰って読んでる時は「懐かしいなぁ」の連続でした。

短編形式で読みやすく、スラスラ読めるのも魅力ですね。色んな国をキノたちと旅してる感覚は読んでいてとても楽しいです。

今回は2巻のみしか買っていませんが(状態が良いのが2巻までしかなかった...)今後買い続けるかはまだ未定です。中学の時でも7、8巻ぐらいしか読めてなかったと思うので、アニメ始まる前までに全部読みたいのは山々なんですが。うーん...読みたい。誰か譲ってくれー(笑)。

 

(追記)

作者さんの書影読んで吹きました。f:id:galileo8:20170314002442j:image 

集合写真て(笑)。地球じゃん!

 

 

 

『#こんなブラック・ジャックはイヤだ』: 感想

今年に入って一度もブログ更新出来てなかったのですが、ようやく「これは紹介したい!」と思える本に出会えました。

 

それが、この『#こんなブラック・ジャックはイヤだ』です。

 

#こんなブラック・ジャックはイヤだ (エヌ・オー・コミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/4778034015/ref=cm_sw_r_cp_api_tDyIyb0KFPGDW

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(※昨日(1/25)まで在庫切れしていたようですが、現在は復活しています)

 

読後、打ちのめされました。もしかしたら今年一番の作品をいきなり引き当てたかもしれない...と思うほどに(まだ1月なのにいいのか?笑)。

 

本家である手塚作品の『ブラック・ジャック』が好きな方だったらキャラ崩壊こそあるものの「とても満足できる」内容となっています。逆に本家を読んでいなければ楽しめない部分が所々あるので、この本を読む前に本家の方を先に読んでおくことをお薦めします。

 

この作品の魅力はやはり手塚治虫さんの『ブラック・ジャック』では見ることのできなかったブラック・ジャック達が描かれている所です。

 

『ミドル・メンズの章』では本来揃うはずのない、黒男・キリコ・間久部の三人がSNSについて語り合ったり、まさに「こんなブラック・ジャックは嫌だ!」と言いたくなるような馬鹿らしい発言が飛び交っています。"キャラ崩壊"と言ってしまえばそれまでなのですが、ブログ主は「全然OK」でした。むしろ「面白い!」という感情が勝ってしまって、違和感は不思議と感じませんでした。

 

『学ラン・ブルースの章』では、やはりこれも手塚作品では見られなかった、「黒男達の学生生活!笑」 を見ることができます。間久部...原作ではそんなに見ることなかったのに、なかなか良いキャラしてるぜ笑。

 

『現代的レシピの章』は水道水を水道水で割ると水道水の味がする発見をした、ブラック・ジャック氏による料理教室!「ひとりぐらしマンが食費も洗い物も減らしてまあごく普通にテキトーに酒が飲める現代的レシピ」を教えてくれるそうです。ここまで聞いても頭がおかしくなりそうですが、意外と本人、"料理に関しては"まともなことを言っています笑。

 

そして『正気に戻るの章』。この畳み掛けは反則だろ!と言いたくなるような、まさにファンサービスが多く詰まった話が入っています。手塚先生の登場、黒男の帰りが2週間遅くなり留守番するピノコピノコの表情やしぐさがもしかしたら本家以上に豊かに描かれてる。

 

この本の作者さん、つのがいさんという方を知ったのも「『#こんなブラック・ジャックはイヤだ』がなんと書籍化されます!」というツイートを見かけてからで、それまでツイッターに漫画を載せてることも知りませんでした。

前情報知らずに『すげえ、手塚先生が描いたみたい!』というノリで買うのを決心したため(失礼)、今読んでとても驚いています。

 

巻末のカラーイラストもすごく綺麗で、後で調べたら既にツイッターに載せられてた絵だと知って。すごい(さっきからすごいしか言えてない笑)。

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こんな人を何故今まで知らなかったんだろう...

非常に中身の濃い一冊でした。

 

これが一巻で、もし二巻が出るのだとしたら絶対買います。そして、つのがいさんの今後の活躍にも楽しみにしています。

 

つのがいさん

Twitter → @sunxoxome

ブログ→ http://tsunogai.blogspot.jp/

 

(追記)

ペーパーが貰えたのですが、思っていた大きさと違って驚きました(ポストカードサイズの小さいものだとばかり思ってました)。こういう所も個人的に嬉しかったりしてます。

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今年選んだコミック 2016

先月ぐらいに月刊誌「ダ・ヴィンチ」のBOOK OF THE YEAR(この特集、毎年やってますよね。一年のささやかな楽しみの一つです)を眺めてたんですが、本屋さんでよく見かけるような平積みされてる本がたくさん取り上げられていました。

 

小説の一位はこのブログでも感想を書いた『君の名は。』の小説版。「やっぱりなぁ」って感じです。映画の方は歴代邦画2位の興行収入を記録しているとか...ブログ主は新海誠さんを「秒速五センチメートル」で既に知っていたのですが、こんなにヒットする映画が生まれるとは思っていませんでした笑(万人ウケする話を作らない人だと思っていました)。

 

コミック部門の一位は去年に引き続き『3月のライオン』という将棋漫画。ブログ主も買って読んでます。十月からはアニメも放送されていて「BUMP OF CHICKEN」が主題歌を担当しています。

家族を交通事故で亡くし、一人で色んなことに悩みながらも少しずつ成長していく高校生将棋棋士、桐山零くんの物語。将棋のことが分からないという方も十分楽しめる内容になっています。

 

エッセイ・ノンフィクション部門では有川浩さんの『倒れるときは前のめり』が一位を獲得しています。すごいですね有川浩さん...毎年こういうランキングのどこかでは必ず見かける人のように感じます。有川浩さんの小説は個人的に『キケン』が好きです。

 

そしてこの特集、キャッチコピーに「あなたが選んだ今年最良の本は?」と題されています。

文庫、小説、コミック、エッセイ、、たくさんの本がランクインしている中(あちゃーこのリストの半分も読んでないや!(バーナード嬢風に))、時々こういうランキングを見てると思うことがあるんです。1位はわかる。でも2位以下のランキングに納得いかない所が絶対あって、「この本読んだけど絶対こっちの方が面白いよ!」と言いたくなるものばかりです。そして肝心の面白いと思った本はランキングから外れていたりします。

もちろん面白いと思うものは人それぞれだけど、明らかにこれより面白い本があるのに全く話題にならず終わってしまうのはとても悲しい。

そこでこの場を借りて自分の選んだ今年のコミックを紹介したいと思います(文芸書はどうしても偏ってしまったので紹介できませんでした。ごめんなさい)。今年最後の締めくくり、この特集に乗っかってやります!

 (※2016年に読み始めた本には"(new!)"をつけてます。あと順不同です。並び順オススメ順というわけではありません)

 

・『ヘルク』(new!)

Helck(1) (裏少年サンデーコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B00MMR57N4/ref=cm_sw_r_cp_api_NZjuybNJEQF31

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文句無しに今年一番の作品。

1巻自体は2014年から発売されていたのですが、回をおうごとに世界の仕組みがどんどん分かっていく、何気ないギャグの中にも所々伏線が貼られていたのに気づかされ、その作り込みように脱帽しました。ギャグとシリアスのバランスも良く、キャラクターもそれぞれの個性があって魅力的なのも特徴です。

 

物語は「ヘルク」という人間の勇者が魔界で行われている新魔王決定戦に出場している所から始まります。魔界四天王「ヴァミリオ」は「敵である人間がなぜ大会に出場しているんだ」と激怒。しかしその勇者「ヘルク」は戦闘レベル99(ヴァミリオの78をゆうに超えている)という異常な強さで、多くの魔王候補者を倒していきます。このままでは人間が次の魔王になってしまう、危惧したヴァミリオは力の強さだけでは勝てないような「トランプタワー」「料理」などを競技に入れることにします。

しかし、ヘルクはそれらも難なく突破、遂に決勝戦に進出することになりました。

決勝戦、魔王決定戦が行われている中、人間が城を攻めてきたとの知らせを受けたヴァミリオはこれの討伐を競技にします。これは人間であるヘルクが同じ人間を討伐する覚悟があるかどうかも確かめる意図がありました。

一体ヘルクはなぜ魔王決定戦に参加していたのか、そしてその真意とは。

 

ブログ主はギャグには全く抵抗がないです。くだらない話でも笑って読めれます。けれど読者の中には序盤のギャグ展開が苦手で敬遠する方もいるかもしれません、そういう方にはこの出だしは少しキツイかなと。

しかし、読み進めてみるとギャグは一掃、シリアスな展開も垣間見ることになります。この話はここからが本番、せめてそこまで読んでこの作品を評価してほしい。ギャグシーンにもシリアス展開に繋がる散りばめられた伏線が用意されているので、ギャグだからと足蹴にせず隅々までこの作品を楽しんでもらえると嬉しいです。

 

・『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(new!)

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) https://www.amazon.co.jp/dp/B01C3ZR3X6/ref=cm_sw_r_cp_api_jxkuybA7CZ0V2

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家柄良し、人柄良し、将来を期待された秀才たちが集まる秀知院学園、その生徒会で出会った副会長「四宮かぐや」と会長「白銀御行」は互いに惹かれあっているはずだったが己のプライドでなかなか素直に告白できずにいた。そのまま何もなく半年が経過!二人は"如何に相手に告白させるか"と考えるようになり、、

 

久々にはまった恋愛コメディ漫画。こういったジャンルで好きになった作品は『神のみぞ知るセカイ』以来です。

ダヴィンチでもこの作品はランクインしてるかなと思いきや、ランキング圏外で残念、一体何を見てるんだこの野郎!と言いたくなりました。 

王道な恋愛コメディに頭脳戦、謎解き要素が足されたこの作品。当初は月刊誌「ミラクルジャンプ」で掲載されていたのですが週刊誌「ヤングジャンプ」に移籍後、爆発的人気を集めるようになりました。

まだ既刊3巻と少なく(2016年12月現在)、今後の展開も気になる作品です。

 

・『ひなまつり』

 ヒナまつり 1(ビームコミックス(ハルタ)) https://www.amazon.co.jp/dp/B00C40EU46/ref=cm_sw_r_cp_api_MiJwybNAD624S

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芦川組の若手ホープ・新田の部屋に落ちてきた奇妙な楕円形の物体。それが全ての始まりだった!物体のなかに居たのは、無表情な少女・ヒナ。強力な念動力で新田を脅し、ヒナは新田家に住みつくことに。かくしてヤクザとサイキック少女の危険な共同生活が始まった!

 

ヤクザ×サイキック少女。

なんだかバイオレンス感漂うこの作品。その予想は確かに当たってはいるけれど少し違う。一番説明するのが難しいかもしれません。

色んな人が出てきます。メインはヤクザの人たち。そんなヤクザさんに怯える一般人。ヤクザさんとも付き合いのある飲食店で働く人たち。宇宙人(?)たち。ホームレスの人たち。

バトル漫画であり、ギャグ漫画。バイオレンスではあるけれどソフトな部分もある。読むと何とも言えない面白さに襲われます。

三年くらい前からメディア化(特にアニメ化)を期待していますが未だされておらず。やはりヤクザがメインだからか?

 

・『聖☆おにいさん

聖☆おにいさん(1) (モーニングコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B00A765XFO/ref=cm_sw_r_cp_api_83kuybKGJPTSE

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ブッダは近所のおばちゃんのようにお金の使い方にうるさく、それに対しイエスは衝動買いしやすい。そんな彼らが東京、立川でバカンス。生活感溢れるぬくぬくコメディ。

 

目覚めた人ブッダ、神の子イエス、その二人が東京で同居生活をするというぶっ飛んだ設定で漫画界を騒がせた問題作。

ブッダやイエスに関する大まかな知識、SNSやインターネット関係の知識を持ち合わせていないと十分に楽しめないかもしれません。ブログ主は元々カトリック教会に通っていたのでイエスの話は難なく理解できたのですが、ブッダの話は分からないところだらけだった(後で手塚治虫の『ブッダ』を読んで大まかな理解はしたつもり)。

なんと実写ドラマ化が決定しており(期待半分不安半分)、これからの活躍にも期待できる作品です。

 

・『のんのんびより

のんのんびより 1<のんのんびより> (コミックアライブ) https://www.amazon.co.jp/dp/B00AO2UWAM/ref=cm_sw_r_cp_api_YQFzyb1B66D0Z

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田舎にある学校「旭丘分校」には、小中合わせて生徒は5人のみ。みんな家の鍵は閉めないし、たぬきはよく出るし……どこか不便だけど、でも何だかんだで気ままに過ごしている。『こあくまメレンゲ』のあっと先生が描く、ド田舎の学校に通う少女たちのまったりライフ

 

去年の一番の作品です(個人的に)。去年はブログを始めてなかったので取り上げる機会がなかったのですが、ここで紹介させていただくことにしました。といってもとても有名な作品なの知ってる方は多いかもしれません笑。

今年で言えば地方のテレビ局でアニメが再放送されてました。何回見ても癒されますね!最後の「今回はここまで」が悲しすぎて鬱になるレベルに笑

 

・『信長協奏曲(コンツェルト)』 

 信長協奏曲(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B009JZHMYE/ref=cm_sw_r_cp_api_7nZvyb743MMN9

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自由気ままな高校生サブローはひょんな事から戦国時代にタイムスリップしてしまい、あの有名な織田信長から自分の身代わりになって欲しいと頼まれる。本物と顔が瓜二つの信長となったサブローは、天下統一の夢を目指し奮闘する。

 

所謂タイムスリップ歴史漫画です。自由気ままなサブローのマイペースさ。それを「うつけ」と怪しむ家臣。何の偶然かサブローのやることはきっちり史実通りに進んでしまうという、、ピンチに陥ってもサブローの表情は全く変わることなく、いつも平然としており(事態を重く受け止めないスタイル?)、そこが読んでて安心できる所です。実写ドラマ化、アニメ化もされており、それぞれ話の展開が違っている所が魅力です。

秀吉が元・今川家の忍び出身だったという設定も面白いなぁと思いました。なんか裏切りそうなイメージありますもんね(秀吉ファンの方ごめんなさい)。浅井長政はさすがに美化しすぎだろ!。史実通りなのかどうか分からないけどお市がすごい信長思い(超絶ブラコン)だったのには驚きました。ふくれっ面かわいい。

 

・『メイドインアビス』(new!)

メイドインアビス(1) (バンブーコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B00KYEH7GW/ref=cm_sw_r_cp_api_UGawybWAKQQQJ

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人類最後の秘境と呼ばれる、未だ底知れぬ巨大な縦穴「アビス」。その大穴の縁に作られた街には、アビスの探検を担う「探窟家」達が暮らしていた。彼らは命がけの危険と引き換えに、日々の糧や超常の「遺物」、そして未知へのロマンを求め、今日も奈落に挑み続けている。

ヒロインのリコは孤児院で暮らす探窟家見習い。アビスへの憧れが人一倍強い彼女は、母のような偉大な探窟家になることを夢見ていた。ある日の探窟で、リコは謎の存在に生命の危機を救われる。その何者かが放った熱線の跡を辿ると、そこには少年そっくりのロボットが倒れており…。

 

序盤がなかなか入りづらい作品。一巻を読んで挫折する方が大半なんじゃないかな、と個人的に思います。ですが是非三巻までは頑張って読んで欲しい!世界観がとにかく素晴らしく、「物語にどっぷり浸りたい!」という方には自信をもってオススメできる作品です。

 

・『私の少年』(new!)

私の少年 : 1 (アクションコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B01H04M2UY/ref=cm_sw_r_cp_api_O0IwybKZWP711

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スポーツメーカーに勤める30歳、多和田聡子は夜の公園で12歳の美しい少年、早見真修と出会う。元恋人からの残酷な仕打ち、家族の高圧と無関心。それぞれが抱える孤独に触れた二人は互いを必要なものと感じていく。この感情は母性? それとも――。

 

一巻発売当初から気になって読んでいた作品。マイナーかなと思っていたら、なんと『このマンガがすごい!』オトコ編2位を記録したとのこと(一巻は10万部を突破したらしいです!)。すごい、読んでる人は読んでるんなぁ。

おねショタという部類に入るのかもしれないけど、そんなことが気にならないくらい物語に入りんでしまう。真修くんの家庭事情と聡子の抱える悩みがぶつかって今後の展開がひやひやさせられます。

 

・『ハッピーシュガーライフ』(new!)

ハッピーシュガーライフ(1) (ガンガンコミックスJOKER) https://www.amazon.co.jp/dp/4757547692/ref=cm_sw_r_cp_api_MTEzybPRZ8RMG

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真実の愛は、試されなければならない。 松坂さとうには、好きな人がいます。一緒に暮らして愛を語り合うと、とても甘い気持ちになるのです。きっとこれが「愛」なのね。彼女はそう思いました。この想いを守るためなら、どんなことも許される。騙しても犯しても奪っても殺してもいいと思うの。

 

「表紙の女の子の目が死んでる...」ヤンデレ主人公が小さな女の子を拉致して平和に暮らそうとする話です(拉致された本人は楽しそう)。ヤンデレ特有の過去に色々闇がありそうな感じが一巻で既に漂っています(『未来日記』の我妻由乃に匹敵するヤンデレっぷりでした)。それにしても主人公もそうだけど周りの人も普通じゃない笑。絶対王政制の店長、ロリコンなイケメン男子、危機的状況に快楽を覚えるストーカー教師諸々...この本は心して読まねば耐えられないかも。

 

・『ダンジョン飯

ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/4047301531/ref=cm_sw_r_cp_api_y1EzybDHZ0JCY

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ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、
金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。
再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう……。
そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう! 」
スライム、バジリスクミミック、そしてドラゴン!!
襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、
ダンジョンの踏破を目指せ! 冒険者よ!!

 

全く役に立たない料理漫画!でも面白くてついつい読んでしまう。

九井諒子さんは短編漫画で有名ですがこの作品で長編漫画デビューしました。長編になっても面白さは健在、いやむしろこっちの方が面白いかもしれない。

 

・『からかい上手の高木さん』(new!)

からかい上手の高木さん 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル) https://www.amazon.co.jp/dp/4091250157/ref=cm_sw_r_cp_api_VuJwybH4H0JVH

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照れたら負けの全力青春バトル! いっつもオレをからかってくる 隣の席の高木さん。 だけど見ていろ、今日こそは必ず 高木さんをからかって 恥ずかしがらせてやる!!

 

流行りに乗って読んだ作品。噂通り面白かった。とことん平和で読んでて安心できる。私事ですが「僕だけがいない街」読んだ後だったからか余計和めました笑。

タイトル通り 西片くんという男の子が高木さんという女の子にからかわれるお話。そのやりとりがとてもいじらしく微笑ましい。ニヤニヤが止まりません笑 家で読むことをおすすめします。

 

・『ばらかもん

ばらかもん(1) (ガンガンコミックスONLINE) https://www.amazon.co.jp/dp/4757526164/ref=cm_sw_r_cp_api_ZqFzyb0GQ4KR1

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とある島に移住生活をすることになった若きイケメン書道家・半田清舟。都会暮らししかしたことのないそのぼっちゃん先生が、(1)トラクターで公道をドライブ (2)自分のうちが中学生のたまり場になる (3)知人が玄関から入ってくれない…などの困難に立ち向かう、ほのぼのアイランドコメディ!!

 

今年この作品の兄弟作『はんだくん』がアニメ化され、更に知名度が上がった『ばらかもん』を取り上げさせていただきます。

田舎に住んでる人が都会に憧れるように、都会に住んでいると田舎を憧れるもので、ブログ主も時々この漫画のこと思い出してはまた読みたくなってしまいます。清州と島の人たちのやりとりが大好きです。

 

・『よるくも』(new!)

よるくも(1) (IKKI COMIX) https://www.amazon.co.jp/dp/B00DW6COO4/ref=cm_sw_r_cp_api_vBFzybT8SW4X2

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この[世界]には、上・中・下、がある。富めるものの住む[街]。貧しいものの住む[畑]。その下に、深く、暗い[森]――。「よるくも」は[森]に使い捨ての子供として生まれ、感情を持たず、痛覚を持たず、読み書きの知識を持たないままに育ち、中田の指示により殺しの仕事を日々こなす青年。キヨコとよるくもが出会うことにより、[世界]は少しずつ壊れはじめる――圧倒的に鋭利な新才能が描く、愛と暴力の悲劇、開幕!!

 

色々考えさせられる作品。ここに取り上げたいほどに衝撃が強かった。どの方法が子供たちにとって幸せなのか、それを他人が判断していいのだろうか、倫理観が問われる描写が所々にありその度に色々考えさせられます。「救いのない物語」というのが苦手な方も一読する価値あり。

 

・『逃げるは恥だが役に立つ』(new!)

逃げるは恥だが役に立つ(1) (Kissコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B00GWVP77W/ref=cm_sw_r_cp_api_Z2Fzyb4D2PRKB

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森山みくり(25歳)、彼氏なし。院卒だけど内定ゼロ、派遣社員になるも派遣切り、ただいま求職中。見かねた父親のはからいで、独身の会社員・津崎平匡(36歳)の家事代行として週1で働き始める。両者ともに快適な関係を築いたふたりだが、みくりが実家の事情から辞めることに。現状を維持したい彼らが出した結論は、就職としての結婚――契約結婚だった! ひとつ屋根の下、秘密と妄想(?)の生活が始まる……! 

 

今年話題なりましたね「逃げ恥」!恋ダンス覚えた方、踊った方も多いんじゃないですか?笑

「大人の諸問題」というテーマ扱った作品ですが、恋愛コメディの要素も少なからず含まれており、真面目な話と恋愛話のバランスが非常に良いです。少し大げさすぎるのが面白さを引き立てているのかもしれません。

 

・『約束のネバーランド』(new!)

約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/408880872X/ref=cm_sw_r_cp_api_9mGzybJBTDPBA

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母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。エマ・ノーマン・レイの三人はこの小さな孤児院で幸せな毎日を送っていた。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた。真実を知った彼らを待つ運命とは…!?

 

12月に出たばかりの新作。駆け引き脱出ものです。平和に暮らしてたのに自分たちが食肉用として飼われてただけだった!っ想像しただけで怖い。設定が細かくすんなり内容に溶け込めました。子供たちの知恵とママの攻防戦が面白い。始まったばかりなのにどういう風に終わるのかが気になる。ジャンプ漫画だし先は長そう...

 

・『転生したらスライムだった件』

転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B017TYYQU4/ref=cm_sw_r_cp_api_WTGzybKRMTWTA

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何という事もない人生を送っていた三上悟は、通り魔に刺され37年の人生に幕を閉じた…はずだった。 ふと気がつくと、目も見えなければ、耳も聞こえない…。 そんな状況の中、自分があの“スライム”に転生してしまった事に気づく。 最弱と名高いモンスターである事に不満を感じつつも、相手の能力を奪う『捕食者』と世界の理を知る『大賢者』、 二つのユニークスキルを武器に最強のスライム伝説が今始まる!

 

スライムかよ弱っ!て思ったら意外と強い!てかめちゃくちゃ強い!笑。キャラクター、風景描写どれをとっても素晴らしく、話の展開もしっくりきてテンポもよく読み易い。去年から読み続けてますが相変わらず面白いです。原作小説は「小説家になろう」というサイトに無料掲載されているのでそちらも是非。

 

 

以上15作品(+1作品)です。

この記事が書いてる間に「メイドインアビス」のアニメ化が決定したり、クリスマス終わってたり(本当はクリスマス前に書こうと思ってたんですが間に合いませんでした...色々ありましたが年内に無事書ききれて良かった。

 

報告が遅れましたが、今年初めて本ブログを書き始め、この半年間で一万人の方がこのブログを見に来てくださいました。ありがとうございます。現実ではあまり話さないけど、皆さんも本のことに興味あるんだなと実感しています。来年も色んな本を紹介していこうと思っておりますので今後ともよろしくお願いします。

それでは良いお年を!

『バーナード嬢曰く。』: 感想

友人から『バーナード嬢曰く。』という漫画を薦められたのですが、

「ああ、アニメ化されたやつじゃん。そういやハヤカワ文庫とコラボもしてたな」

と、前情報はかなり聞いていて知っていました。

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス) https://www.amazon.co.jp/dp/B00JIFLWM8/ref=cm_sw_r_cp_api_AQvrybAEQY8N0

f:id:galileo8:20161205211831j:image(※画像は3巻の表紙です)

 

なぜか読んでなかったこの漫画、これを機に3巻一気に購入(俗にいう大人買いというやつです)、読みはじめることに。

そして読後。

「え、めっちゃ面白いじゃん、、」

なぜこんなに面白い漫画を今まで読んでいなかったのか後悔してしまうほどだった...いや、それでも読者は選ぶと思います。そうですね、「読書が大好き、読書に興味がある」じゃなくても「本をよく読む」という方にも合うかもしれません。あくまで個人的な感想ですが、ブログ主は最高に笑えました。この漫画でこんなに笑ったの自分だけかもしれない笑。

 

「読書家に憧れるけど本を読まない」女子高生、バーナード嬢(通称:ド嬢)と、旬のすぎたヒット作を読む遠藤くん、影で遠藤くんに惹かれる正統派読書家の長谷川さん、SFオタクの神林さんの4人による、「本好きにとってのあるある話」です。

もちろん読書家が一度は経験したことがあるだろう「あるある話」、ギャグ話もありますが、この漫画、それだけじゃありません。

この漫画の最大の魅力、それは、、

膨大な量の【参考文献】

これですね、、後ろのページを見ると読んだことある本、本屋でよく見かけて名前は知ってるけど読んだことない本、全く知らない本、がずらりと載せられています。

漫画を読んでいてこんなにたくさんの本について触れられたものは多分初めてです。

本好きに(特にSF小説が好きな方)にとっては「うんうん」と頷ける話があるかと思います。ブログ主はこの漫画に出てきた本、SFは特に読んでなかったので(「星を継ぐもの」をぎりぎり読んだ程度です、、)、ほとんど知らない話ばかりでした。これに影響されてもしかしたら読み始めるかもしれません。もちろんSFだけでなくミステリーや純文学の本も同様です。

 

ブログ主が最も共感した場面はこちら。

f:id:galileo8:20161206234511j:image

わかる!!!笑

本を手に入れることが目的になるのは本好きとして違うとは思っていても、ついつい買ってしまうんだよね!

 

ていうかこの本の作者さん、電子書籍無抵抗で買い始めたって言ってるけど、自分はまだ紙の本しか読まないな。電子書籍用のタブレット買うべきかどうか、、みなさんは電子書籍、使ってますか?

 

(追記)

この漫画が影響で、「ハローサマー、グッドバイ(河出文庫 マイクル・コーニイ著)」「シリウス (ハヤカワ文庫SF オラフ・ステープルドン著)」などが気になったのですが、「シリウス」はAmazonでもう売っていないんですね、、再販されることを願ってます(「ハローサマー、グッドバイ」は買いました。現在進行で読み進めています)。

 

 

 

 

 

『いまさら翼といわれても』: 感想

こんばんは、11月最後の更新になります。

 

とても久しぶりの米澤穂信さんです。

あれだけ『王とサーカス』を読むと言っておきながらやはり「古典部シリーズ続編」という煽りと早く読みたい欲に負けてしまいました。

古典部シリーズ」の続編はファンの人ほどではありませんが、密かに期待していました。ブログ主が『ふたりの距離の概算』を最後に読んだのはもう五年くらい前です...とても懐かしい。

もともと米澤穂信さんの小説はシリーズ物が多く、(私の知ってる限り「古典部シリーズ」、「小市民シリーズ」、「太刀洗シリーズ(太刀洗万智が登場する話)」の三つあります)どれも話の中身は勿論、登場人物の成長も同時に追いたくなるような作りになっています。

 

そのため今回の話も「古典部シリーズ」を知らない人は一作目の『氷菓』から読んでもらう必要があります。けれどアニメや漫画、最近では実写映画化などメディア化も多くされている作品なので、そこから知ってもらっても大丈夫です。

 

さて前置きはそのへんにして、感想を始めていきます。

 

いまさら翼といわれても https://www.amazon.co.jp/dp/4041047617/ref=cm_sw_r_cp_api_.BvpybZ0G78F0

 f:id:galileo8:20161129192834j:image

 

古典部シリーズ」は当初、ライトノベルとして作られていたこともあり、文章がとても読みやすいのが魅力です。それは本書『いまさら翼といわれても』でも例外ではありません。

それに加え、前作『ふたりの距離の概算』のような一つの話ではなく、複数の話が収録された短編集という形式になっています。

 

さて、その短編なのですが、全ての話を書いていくのも量的になかなか厳しいので、あらすじにしたあと、個人的に気に入った話を取り挙げて説明するという形を取らせていただきます。

 

・箱の中の欠落

とある日の夜、焼きそばを食べようとしていた折木奉太郎の元に福部里志からの電話がかかってくる。相談したいことがあると言った里志に夜も遅かったことからあまり乗り気ではなかった奉太郎だったが、里志の様子がいつもより沈んでいるのが電話越しで分かり、仕方なく二人の家の近くの橋で落ち合うことに。福部が持ち出してきた相談事は、その時から数時間前に起こった生徒会選挙の投票のことだった。

 

・鏡には映らない

中学のクラスメートと久しぶりに再会した伊原摩耶花は中学三年の頃、卒業制作で鏡を作った時の頃を思い出す。鏡を作ると言っても、実際は周りのフレームを彫刻するもので、クラスではそれぞれどの部分を担当するかグループによって決められていた。摩耶花たちは懸命に彫り進め、満足のいくものを作ったが、奉太郎は担当された部分のパーツをいかにも手抜きな出来ばえで提出し、結果的にクラスメイトから激しく非難されることになる。しかし高校の一年間奉太郎を見てきて「あいつは手抜きをするような人ではない」と思うようになった摩耶花は、その時の真相について振り返り、考えるようになる。

 

・連邦は晴れているか

いつものようにのんびり部室で会話をして過ごしていた四人。そんな中ヘリコプターが高校の上を通過する。奉太郎はそのヘリを見ながら昔、中学の教師がヘリ好きだったことを思い出す。同じ中学だった摩耶花もこのことを覚えており同意する。しかしそれ以降その教師はヘリの話題を持ち出さなくなり、すっきりしない何かが残った奉太郎は、古い新聞を調べるため図書館へ向かう。

 

・わたしたちの伝説の一冊

摩耶花の所属する漫画研究会は読みたい派と自分で描いてみたい派で大きく分立しており、河内先輩が部を辞めてからはその関係は悪くなる一方だった。そんな中、描いてみたい派の部員が摩耶花に部費を使って同人誌を描こうと持ち出してくる。どうやら読みたい派に対して既成事実を作って対抗したいらしい。部員全員の許可なしに部費を使うことに最初は抵抗する摩耶花だったが、漫画を描きたい欲求に負け、その同人誌作りに参加することになったのだが...

 

・長い休日

その日の奉太郎はやけに調子が良かった。それは朝に自分だけでなく姉の分の朝食を作り、良い天気だからと外に出かけ、長い階段を登って神社に参拝するほどだった。そして偶然にもその神社は学校の同級生である十文字かほの神社であり、その日は千反田えるもそこに居たのだった。調子の良い奉太郎はえるが手伝おうとしている掃除を自分も一緒に手伝うことを名乗り出る。その掃除をしながらえるは奉太郎に「どうして『やらなくても良いことはやらない、やらなければならないことは手短に』するようになったのかを尋ねる。

 

・いまさら翼といわれても

市民会館で行われる合唱会に参加することになったえる。しかし集合していておかしくない時間になってもえるは会館に姿を見せなかった。心配になった摩耶花は奉太郎にえるの捜索を依頼する。奉太郎は前日に部室でえるが進路のことについて書かれた本を読んでいたのを知っていた。

 

以上6編になります。

 

【注意】ここから先はブログ主のネタバレを含む感想となっています。未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

同じ短編集の『遠回りをする雛』と比べてとても内容の濃い6編だったと感じています。

本来の趣旨は最後の「いまさら翼といわれても」なのかもしれませんが、個人的に一番心に残ったのは「わたしたちの伝説の一冊」ですね。

あえてあらすじもこの話は少なめに書きました。動きのあったことは漫画研究会のことだけなんですがそれだけじゃない、この話は色々考えさせられることが多いです。

話の最初の方に奉太郎が中学一年の時に書いた読書感想文の話題が上ります。タイトルは「走れメロスを読んで」。あの奉太郎が男の友情物語を読むとは笑。想像出来ないなと思いながら感想文を読んでみると...

「え、この話ってそう読むものなの?」

もしかしたらこの短編集で一番驚いたのここなんじゃないかってくらい衝撃を受けました笑。

こんな捻くれた考え方を中学一年でする奉太郎も凄いなと思いつつ(まあ小説なので、現実じゃないので)、話は漫画研究会のことに移り。

クドリャフカの順番』の文化祭での漫画研究会はギスギスしてたな...と思っていたのにそれ以上に関係が悪化していることにがっかりさせられました(「河内先輩」って誰だったっけとなったのは自分だけだろうか、ものすごく昔の人のように感じる)。

純粋に漫画を描きたい摩耶花は勢力が二分する漫画研究会を何とか和解できないかと検討するのですが、結果は虚しく、最終的には同じ描きたい派の人間にもいいように使われていたことが分かり、何ていうか「酷い」としか言えません。

この話だけじゃなくて他の話にも言えることですが、「古典部シリーズ」、性格の悪い連中が多いですよね笑(本書でも「箱の中の欠落」、「鏡は映らない」「長い休日」にも同じく嫌な連中が出てきます。ほとんど全部だ笑)。その分登場人物たちの考えていることが浮き彫りになるっていうのもあるのかもしれません。今回も同じで、摩耶花に感情移入されっぱなしでした(途中泣きそうになりました)。

それだけに、最後に漫画研究会を辞める決心をしたのには、よし!って心の中で叫んでしまった。もうあんな空気の悪い所へは行かなくていい!って。これからも頑張れ摩耶花!

あとはそうですね、表題にもなっている「いまさら翼といわれても」にも少し触れさせていただきます。この話は今後の千反田さんにとっても大きな起点となる大事な話です。千反田家の跡継ぎという重圧から解放されたえるがこれからどうすればいいのか、その苦悩が伺えるものとなっています。もしこれが映像化されたら「バレンタイン事件」の時みたいな暗いえるを見ることになるんだろうな...見てみたいような見たくないような複雑な感じです。

それにしても折木くん、今回の話はどれも積極的に動く部分が目立ってて「やらなくてもいいことはやらない」精神が無くなってきてる気がするんだけど、どうなんだろう。長い休日が終わり始めて、奉太郎自身も成長しているって解釈で大丈夫なんだろうか。もしそうなら喜ばしい限りです笑。

 

ということで『いまさら翼といわれても』でした。いやー「ほろ苦い青春群像劇」を謳う古典部シリーズも今回は「灰色の青春群像劇」だと思いましたね笑(良い意味で)。最初は黒くても構わない、徐々に白くしていけばきっと良い未来がある。そうやって進んでいくための大きなスタート地点に立った所なんだと思いました。次巻は何年後になるのでしょうか...気長に待っています。

 

(追記)

読んだ方に聞きたいのですが、「一年生は来ていない」っていう摩耶花の語りは、古典部に新入部員が入ったということなんでしょうか。それとも『ふたりの距離の概算』の大日向のことを言ってるんでしょうか。曖昧な表現で書かれていたので勘違いしていたらごめんなさい。(更に追記分) 奉太郎でなく摩耶花の間違いでした。

 

 

 

『ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部』: 感想

こんばんは、11月2回目の更新になります。

11月も後半になって、ブログ主の嫌いな冬がやって参りました(冬が嫌いなのは極度の寒がりだからです、夏が好きです)。

街中ではクリスマスソングも聞こえてきて、既にクリスマス気分に浮かれてる方もいらっしゃるのではないでしょうか、、!

ブログ主にとって子供の頃は大好きだったクリスマスも今ではただの通過点に過ぎないものになってしまいました。キリスト教系の学校に通っていた頃は教会でイエスさまが生まれる劇をしたりもして、友達とプレゼント交換して、夜にはサンタさんが来てくれて、、(一体サンタは何年私の家に来るのをサボっているのやら)。このままじゃ今年もチキン食べるだけかな、、

皆さんは今年のクリスマス、どう過ごされますか?

 

さて、前置きはこのくらいにして。

 

今日やっと紹介することが出来ます、『ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部』の感想です。

 

f:id:galileo8:20161121023435j:image

 

Amazon.co.jp限定】 ホグワーツMAP付き ハリー・ポッターと呪いの子 第一部、第二部 特別リハーサル版 (ハリー・ポッターシリーズ) https://www.amazon.co.jp/dp/4863893469/ref=cm_sw_r_cp_api_e0Dmyb40RKTCQ

 

Harry Potter and the Cursed Child - Parts One & Two (Special Rehearsal Edition): Parts I & II: The Official Script Book of the Original West End Production https://www.amazon.co.jp/dp/0751565350/ref=cm_sw_r_cp_api_G0Dmyb806J8Y0

↑Amazomだと英語版も手に入るようです

 

 

※若干ネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 

(あらすじ)

8番目の物語。19年後。

ハリー・ポッターと死の秘宝』での戦いから19年が経ち、父親となったハリーが2人目の子どもをホグワーツ魔法学校へと送り出したその後の物語です。
ハリー・ポッターとして生きるのはもちろんたいへんなことだったのですが、その後のハリーも決して楽ではありません。今やハリーは、夫として、また3人の子を持つ父親として、魔法省の激務に押しつぶされそうな日々をすごしています。
ハリーがすでにけりをつけたはずの過去と取り組まなければならない一方、次男のアルバスは、望んでもいない “ハリー 一家の伝説" という重圧と戦わなければなりません。 過去と現在は不吉にからみあい、父も子も痛い真実を知ることになります。

闇はときとして思いがけないところから現れるのです。

(Amazon 内容紹介 より抜粋)

 

これは小説ではなく、脚本です。セリフの上には登場人物の名前が書かれており、ほとんどが会話文で構成されています。

 

正直この本を読むべきかどうかかなり迷っていました。というのもブログ主、ハリー・ポッターシリーズは小学生の頃にハマりにハマって(映画の方ですが)、賢者の石とアズカバンの囚人はDVDが擦り切れるぐらい観て育った人なので、この話は7話で綺麗に終わらせたから良いのだと思っていたんです。

けれどこの本の帯に「8番目の物語」なんて書いてあるじゃないですか。あの世界にもう一度入ってみたかったんです、、

 

読んでて思ったのがファンサービスが多いです。ブログ主の好きな『アズカバンの囚人』でも大きな鍵となった「逆転時計(タイムターナー)」が本書でも登場します。

その他にも過去に死んだはずのセドリック・ディゴリーなど、かつての主要キャラも再登場します。

 

『死の秘宝』を読み終えたのが随分昔でハリーたちがどんなキャラだったか思い出すのに時間がかかったんですが、ドラコの更生ぶりに驚かされました。一人息子のスコーピウスを思い、時にはハリーたちと協力して事件を解決しようとする場面は読んでて泣きそうになりました。

 

もっと嬉しかったのがスネイプ先生です。

やっぱり根は良い人だったんだなと改めて思いました(これ読むまでまだ半信半疑だった自分が憎い笑)。

 

そして本題の内容なのですが、

そうですね、読んでる時は「ハリーにまた会えた!」と興奮しまくっていたんですが、過去の話を掘り下げる(逆転時計を使う)場面が多かったり、その整合性に少し無理があるかなと思う箇所も目立ちました(世界線の問題はどうなってるんだ?とも)。

ただ、ハリポタファンであるブログ主一個人の意見としては「面白かった」「楽しませてもらった」と言いたい。確かに「アズカバンの囚人」のような最初から仕組まれた巧妙な辻褄はなかったものの、これはこれで自信を持って「8番目の物語」と言えると思いました。

 

基本的にこの話は今までハリー・ポッターシリーズを楽しんで下さった方へのプレゼントのような話なんだなと感じました。八番目の物語と銘打たれていますがハリー・ポッターの話で必要不可欠な重要な話だというわけではなく、「ハリー・ポッターを初めて読んでいた時の楽しさをもう一度味わいたい」という方におすすめできる作品です。

 

元々この話は舞台用に書かれた脚本であって、実際に舞台も上演されたらしいのですが、是非ブログ主も観てみたいと思いました。色々場面が変わり、場所も人も変わるので物凄く豪華で大変そう、、

 

(追記)

そういや映画の方でもハリーポッター世界の続編(?)、過去編である『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』が11/23から公開されるそうです。舞台はイギリスからニューヨークへ、逃げ出した魔法生物たちを捕まえる旅に出かける!ブログ主は残念ながら観に行く予定はないですが、とても面白そうな映画なので是非に!

https://youtu.be/qPNnKsoqRI4