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黒い虹と気球

小説や漫画の本中心に感想を書きます (本によって発売直後に感想を書いている場合があります。ネタバレなどにはご注意ください)

『ペンギン・ハイウェイ』: 感想

こんばんは、約一ヶ月ぶりの紹介ブログです。

ブログ主はTwitterでは平静を装ってますが、先月は色々辛いことがあって(軽い九月病)、虫歯が痛くて(これは自業自得)散々なことになってました。

けれど!その分今月は好きなアーティストさんのアルバム発売やラジオ放送開始など嬉しいことがやってきてようやく心に平穏が訪れてるここ最近。この楽しみがずっと続けばいいのに、、でもやっぱり現実を受け入れなければ一歩も進まないし、、うん。

兎に角、命ある限り必死に生きていきます。

 

自分で書いてて少し悲しくなったので話題を変えます!(汗 ポジティブシンキング大事!

 

今回紹介するのは「ペンギン・ハイウェイ」です!

 

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/B00AR76UAU/ref=cm_sw_r_cp_api_VvK-xb06EJYEA

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ブログ主の大好きな小説の一つです(本棚の見えやすいところに置いてる一冊)。

そもそもこの本の作者である森見登美彦さんの小説がどれも面白い。「夜は短し歩けよ乙女」「有頂天家族」などは一度は聞いたことあるって人も少なくないと思います(有頂天家族は先月アニメの二期が決定しましたね!ブログ主はめちゃくちゃ喜んでました 笑)。

そんな森見さん、京都を舞台にした話を書くことがほとんどなんですが、この「ペンギン・ハイウェイ」は珍しく京都が舞台ではないんです(京都が舞台になってない唯一の話?)。

 

そんな「ペンギン・ハイウェイ」。内容を紹介します。

主人公兼語り部は小学四年生の「ぼく」(アオヤマくん)。森見小説では最年少の主人公です。

舞台はどこかの住宅地。「ぼく」が引っ越してきた時はまだ殺風景な所だったが、しばらくしてどんどん周りに家が建ったらしい。

この「ぼく」はとても賢く(少し変わってる?)、思ったことを常にメモして考える力があります。論理的に物事を考え、頭の中で整理する、他の同級生よりもしっかりとした少年なんです。

語り部からも彼の頭の良さが有り有りと思い知らされます(このブログより数百倍しっかりした文章でブログ主顔負け 笑)。

さて、この「ぼく」は歯科医院で出会った「お姉さん」と仲良しでよく話をします。

実際、「海辺のカフェ」という喫茶店(海の近くではない)でお姉さんと話をするシーンが度々描かれてるんですが、このやりとりがとても笑かしてくれます(にやにやが顔に出て、周りに怪しまれるレベル)。

ここからが本題。

「ぼく」が「お姉さん」といつものようにやりとりをしていた時、突然「お姉さん」がペンギンを生み出す能力があることが発覚します。何事にも興味を示す「ぼく」はそのことに興味津々。それをなんとかして解明しようと試みます。

賢い「ぼく」はこの異常現象を真剣に考え、思いついたことをすぐさまメモし、同級生も巻き込んで「お姉さん」のことを調べ尽くしますがさっぱり分かりません。

「お姉さん」自身も分からないというこの現象を一体どうすれば解明できるのでしょうか?

 

なんて。あらすじを紹介しましたが、実際のところ、この現象の解明は名目上であって「ぼく」は「お姉さん」と話をするのが大好きなんです。読んでてそれがすごい伝わってきます。

終盤のことを喋るとネタバレになるんですが、そこからも「ぼく」の「お姉さん」に対する思いが感じ取れました。

 

実際こういったSFチックの話はよくあります。海外小説(創元SF文庫とかの小説)を読んだりするとこの手の話に何度も出会うのですが、この話の魅力はそのSF設定にはなく、「ぼく」の考え問題解決の道筋にあります。

先に「ぼく」が"賢い"ということを話しましたが、それは"論理的に物事を考えることができる"という意味です。分かったことをメモし整理しながら思考を積み重ね、結論を導き出す。その過程が小学四年生とは思えない彼の賢さを思い知らされます。

成る程なぁ、、と関心する。中には奇想天外な発想もあって面白い、となるんです。

 

そういやなんで自分が森見登美彦さんの小説が好きなのかという理由もこの「語り」にある気がします。

夜は短し歩けよ乙女」や「有頂天家族」を読んだ人なら分かるかもしれませんが、森見さんの私小説は「語り」が凝っているんです。分かりやすいものもあればちょっと小難しいものもある、けどだからこそ滑稽で面白い。

この「ペンギン・ハイウェイ」も例外ではなく、少年が思ったことを「語り」として読者に見せる。魅せているんです。

 

そんな理由で、この本は自分のお気に入りの一冊になっています。

本屋さんでも「当店のおすすめ!」という帯で並んでるのを度々見かけるので、見かけた際は是非手にとって読んで見てください。

 

それではまた、今月中に更新できることを願って、、 ノシ

 

(追記)

森見登美彦さんが推薦されていた「ランボー怒りの改新」(著: 前野ひろみち)という本を先日読みました。これがまた面白かった笑。奈良を舞台とした短編集なんですがこちらも是非。